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看護師のエステ開業で多いトラブルと対策

看護師がエステに関わるときに「リスク」が注目される理由

これから(看護師がエステに関わるときに「リスク」が注目される理由)について解説します。

美容領域はトラブル相談が増えている

美容の世界は、満足体験も大きい一方で、トラブル相談も増えやすい領域です。

国民生活センターは美容医療サービスの相談が増加傾向で、2022年度は3,000件を超えたとしています。

背景には、広告やSNSで気軽に見える一方、実際は副作用や契約トラブルが起きることがある、というギャップがあります。

厚生労働省も、施術の効果だけでなくリスク理解の重要性を強調しています。

現場でよくあるのが、説明不足で「聞いてない」「そんなつもりじゃなかった」が膨らむケース。

最初からリスク前提で設計しておくと、余計な揉め事を減らせます。

エステと美容医療が混ざって見えやすい

最近は、エステ機器の進化や言葉の使い方で、医療と非医療の境界がぼやけがちです。

厚労省の注意喚起サイトでも、無資格者による施術やエステ等での施術トラブルが挙げられています。

お客様側は「美容だから同じでしょ」と思いやすい。

提供側は「医療っぽく見せるほど売れる」誘惑がある。

ここが混ざると、法的にも信用的にもリスクが跳ね上がります。

だからこそ、提供範囲を言語化して、説明・同意・運用までセットで整えるのが大切です。

看護師ブランドが強い分、期待値ギャップが起きる

看護師という肩書きは安心感が強く、差別化にもなります。

実際、看護師の経験が強みになるという文脈は多く語られています。

ただ、その安心感が強いぶん、もし肌トラブルが起きたときに「看護師なのに…」と期待値ギャップが炎上しやすいのも事実。

やるべきことはシンプルで、過剰な期待を生む表現を避け、できること・できないこと・起こり得ることを、最初に丁寧に共有する。

それだけで事故の半分は防げます。


看護師×エステで起きやすいリスクの全体像(健康・法律・経営)

これから(看護師×エステで起きやすいリスクの全体像)について解説します。

健康被害リスク(熱傷・皮膚トラブル・悪化)

一番わかりやすいのは、肌に起きるトラブルです。

美容施術のトラブル事例として、合併症対応が不十分、施術後の相談ができない、広告と実費の乖離などが報告されています。

看護師さんは医療知識がある分、リスク察知は強い。

ただし、エステは医療のように検査や診断を前提にできません。

だからこそ、既往歴・服薬・アレルギー・皮膚状態などの聴取と、異常時の中止基準が重要になります。

施術は「安全に終える」までが仕事。

結果を追いすぎると、事故に寄ります。

法律リスク(医療行為・無資格施術・業務範囲)

法律リスクは、炎上したときのダメージが大きいです。

エステ運営では「医療行為との線引き」「施術メニューごとの規制」「契約トラブル」を理解すべきだと整理されています。

特に、医療っぽい機器・表現・施術の扱いは、線引きが厳しく見られやすい。

さらに、美容医療の文脈では、医師の指示なしに看護師が単独で施術等を行うことを違法とする整理が話題になっています。

ここは怖がるというより、守るポイントを先に決めておけばOKです。

範囲外はやらない、判断に迷うものは専門へつなぐ。

これが一番の防御です。

経営リスク(売上不安定・クレーム・返金)

実は、現場で一番しんどいのは経営リスクかもしれません。

開業直後は収入が安定しにくく、集客や運営ノウハウがないと苦戦する、という注意点は繰り返し語られています。

さらに、クレームが返金問題に発展すると、時間もメンタルも削られます。

リスクはゼロにできないので、最初から「起きる前提」で仕組みにする。

たとえば下のように整理すると、対策が打ちやすいです。

リスク領域よくある原因先回り対策
健康既往歴の見落とし、無理な出力聴取項目固定、禁忌リスト、同意取得
法律医療行為ライン越え、誇大表現メニュー定義、広告チェック、記録
経営価格設計ミス、返金対応の迷走返金規定、対応フロー、資金計画

医療行為との線引きでつまずかないための考え方

これから(医療行為との線引きでつまずかないための考え方)について解説します。

そもそも「医業/医行為」って何がポイント?

線引きで大事なのは、名前より中身です。

厚労省のガイドラインでは、医師の医学的判断・技術がないと危害を及ぼすおそれがある行為(医行為)を、反復継続の意思をもって行うことを医業と解する、という整理が示されています。

つまり、危険性が高い・判断が必要・継続提供、ここが重なるほどアウトに寄る。

エステは「リラクゼーション・美容目的のケア」を前提に、安全に提供できる範囲に設計しないといけません。

境界領域で危ないケース(HIFU等の話題になりやすい例)

問題になりやすいのは、熱・針・薬剤・侵襲です。

現実には、HIFUや医療脱毛、アートメイクなどが話題に上がりやすく、医師の関与や指示の有無が論点になります。

現場で起きがちなのが、機器メーカーの営業トークが強くて、メニューがいつの間にか医療っぽくなっていくパターン。

守り方は、機器導入時点で「何を目的に」「どの層に」「禁忌は何か」「異常時はどこへつなぐか」を決め、運用を固定することです。

看護師だからOK、が一番危ない落とし穴

看護師資格があると、できることが増えそうに見えます。

でも、看護師の業務は「医師の指示の下での診療補助」という枠組みが基本で、単独の判断・施術が問題になる整理がされています。

ここで大事なのは、自分を縛るためのルールを先に作ること。


トラブルになりやすい契約・勧誘・広告の落とし穴

これから(トラブルになりやすい契約・勧誘・広告の落とし穴)について解説します。

その場で契約させる流れが揉める

契約トラブルは、施術そのものより「急かされた」「不安を煽られた」で爆発しやすいです。

国民生活センターの資料でも、「今やった方がいい」などの不安をあおる勧誘や、即日契約・施術を急かす問題点が示されています。

エステ側が守るべきは、検討時間の確保と、説明の証拠化。

その場で決めさせない雰囲気を作るほうが、結果的に信頼が積み上がります。

クーリングオフ/中途解約を理解していないと詰む

高額コースや継続役務は、解約ルールを知らないと揉めます。

エステ契約が特定商取引法上の特定継続的役務提供に該当し、一定条件でクーリングオフ対象になることが解説されています。

大切なのは、制度を悪用されないようにすることではなく、最初から誠実に説明することです。

ビフォーアフターや強い効果表現のリスク

広告は、盛った瞬間に終わります。

景品表示法は、実際より良く見せかける表示などを規制し、消費者が合理的に選べる環境を守る目的だとされています。

エステでありがちな危険ワードは、絶対、確実、治る、医療級、などの断定・医療寄せ表現。

看護師が関わると説得力が上がるぶん、表現の火力も上がるので注意。

安全に伸ばすなら、効果より「プロセス」「安全設計」「生活習慣提案」へ寄せるのが堅いです。


施術リスクを下げるカウンセリングと同意書の作り方

これから(施術リスクを下げるカウンセリングと同意書の作り方)について解説します。

同意書が必要な理由と、ない場合に起きること

同意書は、サロンのためだけじゃなく、お客様のための安全装置です。

免責同意書は、施術に伴うリスクや損害について事前に合意する文書で、サインがないと返金や治療費、損害賠償につながるケースがあると説明されています。

同意書があることで、お客様の理解が深まり、期待値の調整ができます。

結果として、クレームになりにくい。

一枚の紙で守れるもの、めちゃくちゃ多いです。

カウンセリングで必ず確認すべき項目

カウンセリングは、看護師さんの強みが一番活きるところです。

ポイントは「聞く項目を固定化」すること。

最低限、以下はテンプレ化しておくのがおすすめです。

施術後トラブル時の案内ルール(医療機関への導線)

トラブル時に一番まずいのは、放置と感情対応です。

美容領域では、術後合併症対応が不十分、相談できない、といった事例が問題として挙げられています。

だから、先に決めておきます。


看護師がエステを始めるときの現実的なリスク管理(お金・集客・体制)

これから(看護師がエステを始めるときの現実的なリスク管理)について解説します。

収入が安定しない期間をどう乗り切るか

開業リスクで一番現実的なのは、最初の不安定期です。

看護師が開業する際の注意点として、軌道に乗るまで収入が安定しにくいことが挙げられています。

理想は、いきなり全部を捨てないこと。

副業や週末営業から始める形も現実的だとされています。

生活費と運転資金を分けて、最低でも数か月分を確保する。

ここを曖昧にすると、焦りが施術や契約を歪めます。

集客・運営が弱いと、技術があっても苦しい

看護師経験は武器ですが、経営は別スキルです。

経営・集客のノウハウがないと稼ぎにくい、という指摘もはっきりあります。

実際の現場では、技術が良いのに単価が安すぎる、説明が弱くて継続につながらない、SNSが続かない、が起きがち。

おすすめは、看護師の強みを「安全設計」と「カウンセリング」に全振りすること。

売り込むより、安心して任せられる理由を積むほうが長期で伸びます。

衛生・記録・スタッフ共有で事故を減らす

事故は、だいたい属人化から生まれます。

衛生・禁忌・出力設定・アフター対応を、記録と共有で固める。

同意書の運用でも、顧客情報の扱いとスタッフ共有体制の重要性が触れられています。

やることは地味ですが、強いです。


迷ったときの相談先と、安心して続けるためのチェックリスト

これから(迷ったときの相談先と、安心して続けるためのチェックリスト)について解説します。

困ったときの相談窓口の考え方

困ったときに詰まないために、最初から逃げ道を作ります。

厚労省の注意喚起サイトでも、納得できない点があれば相談窓口の活用を視野に入れる趣旨が示されています。

サロン側も同じで、判断に迷う症状は医療機関へつなぐ、契約の揉めは消費生活相談につなぐ、広告は専門家に確認する。

全部を自分で抱えない設計が、プロの運営です。

開業前/提供前に確認するチェックリスト

開業前にここだけは確認しておくと、事故りにくいです。

長く選ばれる「安全設計」の基本

安全設計って、結局は信頼設計です。

結果を強く言うより、リスクも含めて誠実に説明できる。

やらない判断ができる。

記録が残っている。

これができるサロンは、看護師がやる意味がちゃんと伝わります。

無理に医療っぽく寄せなくても、十分強いです。


Q&A

Q1: 看護師ならエステで医療っぽい施術をしても大丈夫ですか?
A1: 肩書きだけでOKにはなりません。医療行為の線引きや、医師の指示の有無などが論点になります。迷う施術は実施せず、メニュー範囲の定義と運用(同意書・禁忌・導線)を先に固めるのが安全です。

Q2: トラブルやクレームを一番減らせる対策は何ですか?
A2: カウンセリングの固定化と同意書運用です。リスク説明と期待値調整を事前に行い、記録として残すと揉めにくくなります。

Q3: 高額コースを作るときに気をつけるべき点は?
A3: その場で急かさないこと、解約条件を明確にして説明・書面化することです。クーリングオフ等の制度に関わるケースもあるため、契約書と運用フローを整えてから販売するのが安心です。